イタリアンチーズの不動の王様 パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)。

 イタリアチーズと言ったらまずはパルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)。「イタリアチーズの王様」の名に恥じない安定の底力。

Parmigiano Reggiano 12ヶ月と24ヶ月

 フランスのコンテ(Comté)と並び、世界のハードチーズの双璧を成すパルミジャーノ・レッジャーノ。製造の工程で55度程度の高温で凝乳を熱する「加熱圧搾製法」によるハードチーズの代表格とも言える長期熟成ハードチーズです。
 D.O.P. (原産地証明保護)の基準では、パルミジャーノ・レッジャーノの最低熟成期間は12ヶ月という長期。さらに、狭く限定的な生産地域や、一日一回の製造でなければならないこと、牛の餌にサイレージと呼ばれる発酵飼料の使用が禁止等、極めて厳しい製造条件が定められています。
 多くのハードチーズと同様、熟成が進むにつれ水分量が減るため硬さが増し、アミノ酸の結晶が発生して旨みがどんどん強くなって行く特徴があります。

 今回は、熟成期間の異なる3種(12ヶ月、24ヶ月、72ヶ月)のパルミジャーノ・レッジャーノのテイスティング比べをしつつお酒との相性を検討します。

🌟購入データ

パルミジャーノレッジャーノ12ヶ月、24ヶ月、72ヶ月
パルミジャーノレッジャーノ12ヶ月、24ヶ月、72ヶ月

🌟パルミジャーノ・レッジャーノの基本スペック

 パルミジャーノ・レッジャーノは加熱圧搾方式という製造方法で製造されるイタリアの長期熟成型ハードチーズの代表選手です。熟成期間が最低でも12ヶ月という長さを要するため、製造業者が製造開始から販売をして現金化出来るまでに時間が掛かってしまいます。従って、本場のイタリアでは、熟成中のホールチーズを担保として銀行からお金を借りる事が出来るそうです。一説によると、いくつかの銀行には担保に取ったチーズの保管庫があるとの事ですがホンマかいな?(そのうち真偽を確認しに行きたい!)。

生産国🇮🇹イタリア
地域エミリアロマーニャ
タイプ(CPAのグループ分けによる)ハード
乳種🐮牛
熟成期間12ヶ月〜
MS/ES(固形分中に於ける脂肪分量)最低32%
パルミジャーノ・レッジャーノの基本スペック

🌟テイスティングシート

 12ヶ月熟成のパルミジャーノ・レッジャーノのテイスティングシート。

外観外皮黄土色で硬く厚い外皮。
中身濃いクリーム色の生地で、ところどころ白い斑点が見える。
テクスチャー触感硬いが若干湿り気と弾力がある。指先でポロっと折れる。
食感ホクホクとした歯応えで、ジャリとした感じが少しある。
風味香り爽やかな乳酸菌の香り。
酸味と旨みのバランスが良くフレッシュでマイルドな味わい。
パルミジャーノ・レッジャーノ12ヶ月熟成のテイスティングシート

 パルミジャーノ・レッジャーノ24ヶ月熟成のテイスティングシート。

外観外皮やや茶色がかり、硬く分厚い外皮。
中身茶色がかったクリーム色。白い斑点が比較的多めに点在している。
テクスチャー触感しっかり硬くほぼ弾力がない。
食感しっかりとした硬さがあり、歯ごたえがある。ジャリ感が多く感じられる。
風味香りフルーティかつナッティな複雑な香り。
リッチでコクのある.。うま味が強い。
パルミジャーノ・レッジャーノ24ヶ月熟成のテイスティングシート

 パルミジャーノ・レッジャーノ72ヶ月熟成のテイスティングシート。

外観外皮茶色く厚い外皮。
中身濃い黄土色で大きな白い斑点が数多く点在している。
テクスチャー触感とても硬く弾力はほぼ無い。刃先を当てるとボロっと崩れる。
食感硬く歯応えがあり、水分も殆ど感じずかさつく。ジャリジャリ感が強い。
風味香り強いナッティな香りと酸の香り。
深いコクと強い旨み。
パルミジャーノ・レッジャーノ72ヶ月熟成のテイスティングシート
かなり白い斑点が目立つパルミジャーノレッジャーノ72ヶ月

🌟お酒とのマッチングの検討

 イタリアチーズの王様であるパルミジャーノ・レッジャーノ。12ヶ月、24ヶ月、72ヶ月と熟成が進むにつれてコクと旨味がどんどん強くなり、よりパンチの効いたお酒が合いそうです。従い、赤ワインの軽いものから重めのものが合うのが合うのは間違いのない所。
 また、24ヶ月以上の熟成のものはアーモンドナイフでクラッシュして食べるととてもおつまみっぽくなるので、ビールやハイボールなどが合いそうです。また、電子レンジで加熱すると簡単にチーズ煎餅が出来上がるので、そちらのマッチングも試してみます。
 イタリアの赤ワインを中心に、パルミジャーノ・レッジャーノにチーズplus!

パルミジャーノレッジャーノ72ヶ月と24ヶ月

🌟マッチングスコア

パルミジャーノ・レッジャーノ12ヶ月熟成のマッチング

赤ワイン(フル)赤ワイン(ライト)
白ワイン(辛め)白ワイン(甘め)
日本酒(淡麗)日本酒(芳醇)
ビールウィスキー
バーボン(ソーダ割り等)ラム(ソーダ割り等)
テキーラ(ソーダ割り等)ジン(ソーダ割り等)
ウォッカ(ソーダ割り等)芋焼酎
麦焼酎その他
パルミジャーノ・レッジャーノ12ヶ月のマッチング
パルミジャーノレッジャーノをスライス

パルミジャーノ・レッジャーノ24ヶ月のマッチング

赤ワイン(フル)赤ワイン(ライト)
白ワイン(辛め)白ワイン(甘め)
日本酒(淡麗)日本酒(芳醇)
ビールウィスキー
バーボン(ソーダ割り等)ラム(ソーダ割り等)
テキーラ(ソーダ割り等)ジン(ソーダ割り等)
ウォッカ(ソーダ割り等)芋焼酎
麦焼酎その他
パルミジャーノ・レッジャーノ24ヶ月のマッチング
パルミジャーノレッジャーノ24ヶ月をクラッシュ

パルミジャーノ・レッジャーノ72ヶ月のマッチング

赤ワイン(フル)赤ワイン(ライト)
白ワイン(辛め)白ワイン(甘め)
日本酒(淡麗)日本酒(芳醇)
ビールウィスキー
バーボン(ソーダ割り等)ラム(ソーダ割り等)
テキーラ(ソーダ割り等)ジン(ソーダ割り等)
ウォッカ(ソーダ割り等)芋焼酎
麦焼酎その他
パルミジャーノ・レッジャーノ72ヶ月のマッチング
パルミジャーノレッジャーノ72ヶ月をクラッシュ

🌟パルミジャーノ・レッジャーノ最強のマリアージュ

 イタリアチーズの王様には、やはりイタリアの赤ワインが相性が良いです。特に24ヶ月以上熟成したものには、タンニンがしっかりしていて複雑味のある重めの赤ワインがとても合う。一方、12ヶ月熟成には比較的軽めの赤ワインを合わせるとバランスが良いです。そんな中、どの熟成度合いでも合うイタリアンロッソを一つピックアップしました。

 エミリア・ロマーニャのサンジョベーゼ。サンジョベーゼの中でも2年以上の熟成をさせたリゼルバをチョイスしました。エミリア・ロマーニャはサンジョベーゼの故郷と呼ばれており、トスカーナ辺りのものより酸味が穏やかでフルーティながらしっかりタンニンが効いており、安定感があります。今回のパルミジャーノ・レッジャーノの幅広いバリエーションにも高いバランス感で対応します。
 やはり北イタリア同士の相性の良さかもしれません。

サンジョベーゼ レゼルバ
サンジョベーゼ レゼルバ

🌟パルミジャーノ・レッジャーノ 推奨の食べ方

 

 パルミジャーノ・レッジャーノは、熟成の浅い12ヶ月ものにしても基本的にはしっかりとした硬さがあるため、アーモンドナイフでクラッシュしながらお酒のアテにするのがやはり最高の食べ方かと思います。熟成の進ん24ヶ月と72ヶ月は、アミノ酸の結晶の様子などがかなり異なっており、熟成の長さによる違いを比べながら食べるとより一層楽しいです。

 一方、熟成の浅い(と言っても1年は十分に長いですが)12ヶ月のものは、スライサーでスライスしたり、シュレッドして粉状にし、電子レンジ600Wで1分ほど加熱すると香ばしいチーズ煎餅が出来上がります。このチーズ煎餅はまさにビールやハイボールのつまみにピッタリで止まらなくなります。

スライサー
薄切りで美味しいパルミジャーノ12ヶ月

 ハードチーズなのでパスタやサラダにシュレッドも出来ますが、北イタリア全土で大量に作られ大量に消費されるグラナ・パダーノに比べると希少性が高く、かつ風味にパンチ力のあるパルミジャーノ・レッジャーノは、なるべくそのものの素材をそのまま味わって頂きたいチーズです。

スライサー
シュレッド後のパルミジャーノ
チーズ煎餅

🌟パルミジャーノ・レッジャーノ Plus!

 

 イタリアチーズの王様には、イタリアンポップスのキングを引き合わせましょう。Jovanotti(ジョバノッティ)。イタリアを代表するスターです。本名はロレンツォ・ケルブリーニ(Lorenzo Cherubini)で、1966年生まれ、トスカーナ出身。1980年代後半にラッパーとしてデビューし、その後音楽スタイルを進化させて来ており、ヒップホップ、ラップ、ポップ、ロック、ワールドミュージックなど多様なジャンルを融合した独自のスタイルを確立しています。その溢れる才能は、アメリカで言えばプリンス、J-ポップでは岡村靖幸さんのような存在に近いです。

 イタリアチーズの王様には、彼の代表曲「L’Ombelico del Mondo」をチーズプラス!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA